CLIE新機種投入終了宣言に思うこと
ソニーがCLIE新機種投入終了宣言をした。
正直昨今のクリエの「変わりダネ特盛」戦略には辟易していたし、そもそもクリエ自体にさほど魅力を感じていなかった。だから、クリエの新機種が出ないことにさほどの感慨は持たない。
それよりも何よりも、国内のPDA市場を引っ掻き回した挙句、CLIE新機種投入終了宣言とは。ちょっと考えろよソニー、と思う。これで日本国内のPalmOSシーンはほぼ終了だ。
ちなみにオレも1年程前までWorkPad c3を使っていたけれど、今はもう使ってない(超整理手帳+大判Post-It)。単純に飽きた、ということもあるけれど、あえてPDAを使う理由が見つからなくなった、ということもある。
PDAのヘビーユーザーからライトユーザー、そして部外者に降格してみて初めて分かったんだけど、PDAって使っててイライラするし、頭に来るんだよね、実際。で、PDAについてオレが思うところをここら辺でぶちまけておこうと思う。
- 市場戦略
他のPDAと差別化を(自社製品とさえも！)計ろうとして、ことごとく失敗している。互換性の無い周辺機器だらけにしてどうするんだ一体。単価を高止まりさせようって寸法だろうが、その前に需要の落ち込みを心配しろっての。ってか、日本のPDAメーカーの皆さんはなぜスマートフォンを作らないのだろう。オトナの事情があるのだろうか。
- 文字入力
ちょっとしたメモを書いたりスケジュールを登録しようとする度に、いちいち電源オン→メモ起動→スタイラス取り出し→PDAサマに認識していただけるように慎重にスタイラスを走らせる→書き損じる→書き直す→日本語変換、という動作が必要なわけで、相当な忍耐強さが要求される。ただでさえ小さい画面を、それこそ針の穴を通すが如く正確にタップしなければならないってのは、一種の拷問だ。
キーボード付きPDAもあることはあるけれど、かえって敷居が高い。いっそのことケータイと同じキー配列にした方がマシだ。
- ソフト、OS
より便利に使うためには置き換えソフトやらアドオンソフトを探さねばならず、これまた面倒。その点、ケータイの方が断然親切。標準のスケジューラが使い物にならないってどういう事だよ一体。
- ハードウェア
ちょっと落としただけで使い物にならなくなったり、数年使っているとバッテリの持ちが悪くなったり、液晶に傷がついたり・・・そんなモン誰も望んでねーよ！と声高に叫ばせてもらう。んなもん、いらん。
- 検索の問題
PDAに情報を残しておけば後々検索しやすいけど、スケジュールはすでにグループウェアで管理しているし、メモ書きはスキャン後DocuWorksに登録しているので、さほど支障は無い。そもそも、キーワードで検索する場面というのがどのぐらいの頻度で発生するのだろう。過去のメモ書き≒他人のメモ書き、つまり殆ど役に立たないだろうし、重要な事柄についてはPC上できちんとした文書にまとめている。PDA上の情報をあえて検索する場面は、想定しづらい。
- PDA＝情報を一時的に保管するための器
要するに、PDAは情報を一時的に保管するための器に過ぎないんじゃないか、と思う。それならば、凝ったハードウェアは不要だ。情報を一時的に保管するための器ならば、そこら中に溢れている。よほどのガジェット好きでない限り、PDAを選択する理由はない。
とどのつまりオレはこの場でPDAに対する離縁状を叩きつけた訳だが、元PDA使いで同じ思いを抱いている人は結構いるはずだ。
あれほど愛したPDAに罵言雑言を浴びせるのは、複雑な心境だ。まったく。
