pochitto’s blog

詩、雑感などを記しています。

2020-01-01から1年間の記事一覧

野ざらしの詩集

誰が置いたともしれない野ざらしの詩集道端で誰に見向きされることもなく 風がパラパラとページをめくる書かれた言葉が零れ落ちる ページの隙間に押し込まれていた瑞々しい言葉が息を吹き返す 誰かに向けて書かれた言葉それは私かもしれないしあなたかもしれ…

自分らしく

あなたの人生を変えよう?変わるわけねえだろバカかよ あなたは本当のあなたを知らない?いや知ってるよクズでどうしようもない自分を 幸せをつかみとろう?そんなもの転がっちゃいないそれこそ徒労に終わるんだよ 人間ってのはな変われない生き物なんだよ何…

孤独の森

誰からも顧みられないまま朽ち果てていくもの半分土に埋まったそれを掘り起こす息も絶え絶えなそれを横たえそっと手を当てる 情熱は消えてはいないただ 力尽きただけ 絶望し打ちひしがれ孤独の森を彷徨い辿り着いたその思いをせめて私だけでも受け止めたいよ…

夢の君

夢の中で君と出会った 君は人混みのなかから僕を見つけねえ暇?と僕に話しかけた僕は一瞬驚いたけれど君の悪気のない微笑みに心を許した 僕と君は何気ない会話をしながら二人手もつながず並んで街を歩いた ねえお腹空いた君がそういうから僕はクレープを買い…

コーラ

今日当たった客はあたしに大事なものを撫でられながらどうしてこの仕事始めたの?とまじめな顔で訊いてきた お金かなとぶっきらぼうに返すとお金ならもっと他に稼ぐやり方あるじゃんどうしてこの仕事なの?としつこく訊いてきたので歯を立ててやろうかという…

渚にて

渚にて 君想う 涙溢れる涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙…

距離

手の届かぬ所に居る君の温もりをどうやって感じれば良いのだろう 少しずつ離れてゆく私達の引力をどうやって取り戻せば良いのだろう あの日引き寄せあった唇は もう二度と重なり合わない気がして 君に電話する 君の声が間近に居る どうかこのまま話し続けさ…

静かな街を満月が照らす暗闇を恐れ眠れぬ子を見守るように 荒れ果てた街を満月が照らす鎮魂の歌が遠くまで響き渡るように 雪に埋もれた街を満月が照らすやがて来る春を思い出させるために 凪の海を満月が照らすすべてを奪ったあの日の罪を赦すように 夜明け…

決まった時間に起きて着替えて朝食を取る日課を淡々とこなしたら夜更かしすぎないでベッドに滑り込む 日常が崩れていく事で心の灯はかき乱されていくからあなたの普段通り何気ない習慣をなるべく続けていく方がいい 心の灯を絶やさなければ暗闇も恐れる事は…

<永遠>

いつか貴方に作ったサラダは少しだけ胡椒が効きすぎていたけれど貴方はいつもの笑顔で美味しいと言って私の手を握ったその瞬間から私の時間は止まったまま 永遠に微笑むあなたどうかその手を離さないで離れないでどうか -----------------------------------…

真実(リアル)

生とは何かを探す旅路の途中僕らが見つけたいくつかの真実(リアル)それは誰も皆いつかは死ぬということ死から逃れられぬ事 死こそ真実(リアル)たとえば僕が昨日食べたステーキは血生臭い屠殺場で繰り広げられたであろうリアルあってこその今日の命僕が死ぬと…