pochitto’s blog

詩、雑感などを記しています。

コーラ

今日当たった客は
あたしに大事なものを撫でられながら
どうしてこの仕事始めたの?
とまじめな顔で訊いてきた

お金かな
ぶっきらぼうに返すと
お金ならもっと他に稼ぐやり方あるじゃん
どうしてこの仕事なの?
としつこく訊いてきたので
歯を立ててやろうかという衝動を必死で抑えつつ
ま、性格に合ってるし
と適当に返事をしておいた

それがずいぶんと大きくなってきた頃
君って淫乱?
といきなり訊いてきたので
なんだこいつ
と思いながら
知らない
などと白々しい返答をしつつ
より一層強く吸い上げると

ううう
と呻いて
妄想と現実が入り混じった液体を吐き出して
客は果てた

後に残るのは
どうしてこの仕事を始めたんだろうという
後悔の混じった
生臭くて
寂しげな
溜息

一人思い出しながら
コーラを飲んでる
夜風が
深夜零時を告げる

 

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数年に一度は書きたくなる、風俗にまつわる詩。

ポエジーはこういうところにも宿るんじゃないかと思ってる。