pochitto’s blog

詩、雑感などを記しています。

野ざらしの詩集

誰が置いたともしれない
ざらしの詩集
道端で
誰に見向きされることもなく

風がパラパラとページをめくる
書かれた言葉が零れ落ちる

ページの隙間に押し込まれていた
瑞々しい言葉が息を吹き返す

誰かに向けて書かれた言葉
それは私かもしれないし
あなたかもしれない
けれどそれは
誰にも分からないまま

風がページをパラパラとめくる
ざらしの詩集

道端で
誰かに拾われたがっている

誰かの心に
宿りたがっている