pochitto’s blog

詩、雑感などを記しています。

電磁的静寂

ゆるやかな下降線を描く走査線の
眩い焦点に向けて収斂していく空間
計測できぬ程僅かな傾き
視界を覆う青き飛跡
幻燈の如き反射を湛えた湖底
無限落下にまどろむ間もなく
律動に合わせ震える鼓膜
音速を失った咆哮は微速を保ちながら
閉じた器官に満ちて滲み出し
自我の表皮を喰い破り
培養されたヴァクテリアの如く
青の旋律を浸潤する

湖底へ音も無く差し向けられる芒光は
永劫の果てへと続く回廊を巡りながら
観測できぬほど短い周期で
時折 ヒクヒクと痙攣する

 

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だいぶ前に書いた詩。

日付を見ると2007年2月とある。

ひりつく前頭葉の痕跡。