静かな街を満月が照らす
暗闇を恐れ眠れぬ子を見守るように
荒れ果てた街を満月が照らす
鎮魂の歌が遠くまで響き渡るように
雪に埋もれた街を満月が照らす
やがて来る春を思い出させるために
凪の海を満月が照らす
すべてを奪ったあの日の罪を赦すように
夜明けまで
瞬きもせず
-------------------------------
アフター3.11、アフターコロナにおける詩のありようを考えながら書いてみた。
それは人々が忘れかけていた(だが癒えきれていない)心の傷をあえて照らし出し、治癒を促す役割を果たすものになるように思う。