pochitto’s blog

詩、雑感などを記しています。

空を見上げる僕/僕を見下ろす空

近頃はブックオフの100円均一コーナーでしか本を買わない。
で、先日、「失われた景観」(失われた景観―戦後日本が築いたもの (PHP新書))という本を\105で購入。
単なる景観論に踏みとどまることなく、行政や地方自治のありようについても論じた一冊。
話題が広がりすぎてやや読み進めにくい面もあったけれど、景観問題の実情を知る格好の書。
第4章に、近年の政策議論において、電柱等地中化のトピックが頻繁に登場する、とあった。
いまどき話題沸騰中の亀井静香氏も電柱等地中化の推進派である(あった)との事で、驚き。まあ公共事業大好きの氏であるからして、その新たなる受け皿として、という狙いもあったのだろうけど。俺ん家の前にも醜い電柱と電線が低空を跋扈してるので、人事じゃあない。おまけに眺望重視で立地を選らんだもんだから、鳥獣どもの格好の羽休め場所になってやがる。ウヴォアーッ。あらゆる手段を講じて追っ払うのみ。
ところで、こんなものを見つけた。


昭和49年の大和郡山中心部

http://w3land.mlit.go.jp/Air/photo400/74/ckk-74-7/c33b/ckk-74-7_c33b_6.jpg
※リンク先は激重画像なので注意。
今我が家が建っている場所は、当時は田畑だった。謄本で調べた通りで一安心。


ごく最近の大和郡山
「元気城下町あきないネット」より転載。★印は無関係。


だいぶ様変わりしたとはいえ、まあ田舎は田舎。いや、むしろ30年前とそんなに変わってない・・・
こうした空撮画像を見ていると、地上からは見えない問題が見えてくる反面、地上からでしか捉えられない問題を軽視する事に繋がりはしないか、と思えてくる。
航空写真で見ると賑わいが足りない街だし、もっと発展してほしいと思う。
けれど、地上に居る俺は今のこの景観を壊されたくない、と願う。本書に登場する「(景観の)断絶ではなく連続を」という神戸市民の嘆願にも似た思いが、一市民としての俺の胸にもまたよぎるって寸法だ。
つーか、他所から流れ込んで田畑潰して一戸建て建ててる時点で、俺もまた景観破壊、そして地域社会の断絶に与する者なのだけど。
成長と発展を標榜する<上>からの視点と、安定と継続に追いすがる<下>からの視点。己の中に存在する2つの視点の間で、誰しも心惑うのかもしれない。