pochitto’s blog

詩、雑感などを記しています。

日曜日、試験を受けに行った。快晴。試験は酷い出来だった。


午後Iの試験が終わろうとしたとき、試験で問われているものは付け焼き刃の知識などではなく、実は俺の人生そのものが問われていることに気付く。
震える字、ひっかけ問題に簡単に騙される、本番に弱い、地道な努力ができない、読みが甘い、言い回しが思いつかない、集中が切れた途端動きが鈍くなる、左前方の女の匂いを鼻で追う、前方の視界を塞ぐ禿げた後頭部にあらんかぎりの罵声を浴びせたくなる、溜め息をつく、一つの考えに固執する、突然詩のフレーズが頭に浮かびゆっくりと形を失う、禿頭がのけ反り脂ぎった頭皮に張り付いた艶のない毛髪が視界を覆う、目眩がする、茹であがった脳髄がCMを再生する、鉛筆が刻む不規則なリズムが内耳を毛羽立たせる、耳を塞ぐ、消し去りたい記憶のスライドショウ、視覚のスイッチを切る、明日の仕事が追い討ちをかける、暗算で世帯収入と所得を弾き出す、不慣れな場面で機転が利かない、リーダーシップの根本的欠如、プロジェクト経験の浅さ、忘れっぽさ、語彙の乏しさ、計画性の無さ、ぼんやりと過ごした子供の頃、自信の無さ、鉛筆の不規則なリズム、毛布のような秋の日差し、舗道をゆく人々、本当の事だけが窓に映り、俺はスタートラインに立つ前から負けていた。


打ちのめされ、会場を後にした。