pochitto’s blog

詩、雑感などを記しています。

手帳ネタ

手帳シーズン到来ってことで、東急ハンズの手帳コーナーをチラ見してきた感想。

  • バーチカル週間タイプが異常増殖中
  • イラストレータとのコラボも増殖中。カバーにレースをあしらった手帳も(ハッピーダイアリーとかいうヤツ)
  • ○○プロデュース、の手帳が増えた。カリスマ営業だの何だの。
  • ハンズオリジナルの手帳を発見。カバー硬い!弾除けにもってこい。

こうして見ると、女性向けの手帳の需要が年々増えてるんだなーと実感する。
オッサン向け手帳は片隅に追いやられてた。カワイソス
個人的には、ダイゴーアポイントシリーズのA5カバーが気に入った。どうでもいいが、ダイゴーWebサイトのダイアリーカタログ使いにく過ぎ!→http://www.daigo.co.jp/products/diary/index.html
ロフトの手帳コーナーも見てくる予定。

詩集案

先日のポエザルで個人発行の詩集を数冊購入して以来、自分の詩集を作りたくて仕方ない。
今考えてるのは、

  • 表紙を含め全ページ透明
  • 蛇腹折で製本
  • 繰り広げつつ読み進める形式
  • 全編フルカラーで20ページ前後
  • バーと広げたときに1枚の作品として成立するようにしたい

戯れにOHP用紙の値段を調べたり、製本方法について悩んでみたり。
儲けは要らないから、1部だけでもとにかく作りたい。で、頭の中のモヤモヤをすっきりさせたい。

カネウミとハシビト

同じ意見を述べるにしても、ブランド価値の高い人物が論じた方が世に知れ渡るし、になる。
だから社会の周縁でゴミ同然に暮らす俺やお前ら=ハシビトは、せいぜいブランド価値の高い人物=カネウミになけなしの知識と力をお譲りして、間接的にせよ社会に貢献していれば良い。
カネウミ達はそのブランド価値をより大きくしようと、おそらく証券を発行するだろう。それは有形無形に関わらず市場を流通し、カネウミたちの価値をさらに高めたり、ときには弱めたりするに違いない。ハシビトたる俺らは、せいぜい証券を購入させていただいて、カネウミたちに知識と力のみならずカネもお渡しして、間接的にせよ社会に貢献できれば良い。
然る後に大きなお金を手に入れたカネウミは、そのうち別のカネウミに投資を始めるだろう。カネウミはカネウミを文字通り産む事になる。そうなったときハシビトたる俺らは、もう一人のカネウミに知識や力やカネをお渡しして、間接的にせよ社会に貢献していれば良い。
俺らハシビトも、運がよければ、購入した証券を高く売り、利益を得る事があるだろう。そこで得たカネは、別のカネウミの証券を購入するために使う事。ハシビトがカネウミになろうなどというおこがましい考えは、くれぐれも持たぬように。
ハシビトの知識と力とカネなど、カネウミのひと吹きで消し飛んでしまう程度のものなのだから。

兄について、自由と引きかえに失うものについて

俺にはひとつ違いの兄がいる。独身、一人暮らしのフリーター。
兄はいくつかの会社に勤めた後、フリーターとなった。今はフリーターをしながら、あちこちを放浪している。
フリーターとなった兄は自由を手に入れたが、その代わり失うものは多かった。社会的地位は言うに及ばず、日々の暮らしを担保するものを兄は失った。
それは兄本人のみならず、その家族である俺も本来得るはずのものを失うことになった。

本来フリーターになるべきは俺のはずだった。
兄は元来頭が良く、容姿にも恵まれ、音楽の才能があり、地元ではちょっとした有名人だった。その後本格的に商業音楽を志そうと音楽関連の専門学校へ通い、音楽関連の企業に就職した。その後は最初に書いた通りで、就職後の理想と現実に耐え切れず(他にも理由があるだろうが)、現在に至っている。
俺はというと、勉強も大してできず何の取り柄もない上に歪んだ性格、それゆえ友人にも恵まれず、孤独な青春時代を送った。かろうじてコンピュータだけがそこそこ扱えた為にコンピュータ関連の会社に就職、数年後に転職。結婚し一子を授かり、馬鹿なことに一軒家=銀行借家を購入し、現在に至る。
どこでどう道筋を間違えたのか、未だに分からない。今兄がゆく道は俺が通る道だったのであり、それの思いは年々強くなるばかりだ。俺は根無草の如き人生を、自由という名の孤独を一人生きるつもりだった。結婚なぞ有り得ない話で、ワイシャツとネクタイはとっくの昔に捨てているはずだった。
それがいつからか、俺と兄の役割がすっかり逆転してしまい、俺はそれに困惑している。
今からでも遅くない、俺と兄は本来の役割に戻るべきじゃないか、いつも考えている。俺に自由を返してくれ、とも思う。かといって俺と兄の役割をあるべき姿に戻そうとすると、今度は俺のみならず俺の家族にも大きな影響を及ぼしてしまう。俺が自由になろうとすると、俺の家族と兄がたくさんの物を失うことになる。俺自身も後ろ盾、のようなもの、を失ってしまう。
兄と俺の人生。そして自由と引きかえに失うもの。何度も何度も考えては、結論が出ぬまま今日に至っている。この先いくら考えても結論は出ないのだろうけど、書かずにはいられなかった。

日曜日、試験を受けに行った。快晴。試験は酷い出来だった。


午後Iの試験が終わろうとしたとき、試験で問われているものは付け焼き刃の知識などではなく、実は俺の人生そのものが問われていることに気付く。
震える字、ひっかけ問題に簡単に騙される、本番に弱い、地道な努力ができない、読みが甘い、言い回しが思いつかない、集中が切れた途端動きが鈍くなる、左前方の女の匂いを鼻で追う、前方の視界を塞ぐ禿げた後頭部にあらんかぎりの罵声を浴びせたくなる、溜め息をつく、一つの考えに固執する、突然詩のフレーズが頭に浮かびゆっくりと形を失う、禿頭がのけ反り脂ぎった頭皮に張り付いた艶のない毛髪が視界を覆う、目眩がする、茹であがった脳髄がCMを再生する、鉛筆が刻む不規則なリズムが内耳を毛羽立たせる、耳を塞ぐ、消し去りたい記憶のスライドショウ、視覚のスイッチを切る、明日の仕事が追い討ちをかける、暗算で世帯収入と所得を弾き出す、不慣れな場面で機転が利かない、リーダーシップの根本的欠如、プロジェクト経験の浅さ、忘れっぽさ、語彙の乏しさ、計画性の無さ、ぼんやりと過ごした子供の頃、自信の無さ、鉛筆の不規則なリズム、毛布のような秋の日差し、舗道をゆく人々、本当の事だけが窓に映り、俺はスタートラインに立つ前から負けていた。


打ちのめされ、会場を後にした。